ミャンマー最大の都市「ヤンゴン」の観光スポットといえば、絶対に外せないのが巨大な仏塔『シュエダゴン・パゴダ(Shwe Dagon Pagoda)』です。
ミャンマーのきらびやかな仏教文化を象徴するように、金だけでなくなんと!ダイヤモンドなどの宝石までが大量に装飾に使われているという・・まさに‟豪華絢爛”な「シュエダゴン・パゴダ」は、期待を裏切らないヤンゴン随一の観光スポットです!
2021年3月時点では世界遺産に登録されてはいませんが、約2600年の歴史を誇るミャンマー最大の聖地で、観光客はもちろん熱心な信徒で昼夜問わず賑わっています。
今回は、この豪華絢爛な「シュエダゴン・パゴダ」の詳細(入場料金や行き方など)を徹底解説していきたいと思います。
※注意:2021年3月現在の情報です。1MMK=0.077円で換算。
シュエダゴン・パゴダとは?
その名の通り『シュエダゴン・パゴダ(Shwe Dagon Pagoda)』は、眩しいくらいに黄金の輝きを放つヤンゴン随一の仏塔です!
ミャンマー国内では2番目に高い仏塔で、高さが約100メートルもあります。(1番はバゴーにある「シュエモードー・パゴダ」)
日本だと牛久大仏(台座抜き)・通天閣が同じくらいの高さなので…いかに大きいかが分かりますよね!
シュエダゴン・パゴダの歴史
シュエダゴン・パゴダの歴史は古く、紀元前585年が起源とされています。
言い伝えによると・・
【モン族の兄弟商人がインドで出会った仏陀から譲り受けた8本の聖髪を、当時の王オッカラパが、この地に仏塔を建立し祀ったのが始まり】なんだとか…。
その後の長い歴史の中で、歴代王による幾度もの改築や地震の度に繰り返された修復を経て、現在の形になったのは15世紀頃だと言われています。過去には略奪・占領され、要塞として利用されたこともあるようです。
‟寄付”のおかげで豪華に輝く!?
前回の記事で紹介した『ゴールデンロック』を見ても分かるように、ミャンマーの寺院・仏塔は、どれもキラキラしています。日本だと「金閣寺」を想像してもらうと分かりやすいですかね。
→ 関連記事 落ちそうで落ちない神秘の岩!ゴールデンロック(チャイティーヨーパゴダ)
ただ・・・シュエダゴン・パゴダの輝きは桁違いです!!
まず、ゴールデンロックと同じく金で覆われ黄金に輝く仏塔ではありますが…シュエダゴン・パゴダに使われているのは金箔だけでなく厚い金のプレートで、その数8688枚と言われています。
更に、塔頂部には76カラットの巨大ダイヤモンドが飾られ、ルビーやサファイアといった宝石7,000個ほどが散りばめられています!
金に宝石に・・まさに豪華絢爛!!しかも、これら全てがミャンマーの人々の寄進によるものというから驚嘆しますよね!
というのも、ミャンマーはイギリスの財団Charities Aid Foundationが(2018年発表)、世界146カ国(世界人口の95%)でデータを収集し算出した世界寄付指数というのもので、過去5年間の総合ランキング1位を取得しています!
この世界寄付指数は、3つの指標【①見知らぬ人を助ける ②お金の寄付 ③ボランティアの時間】で世界各国の慈善活動をスコア化するもので、2018年度だけで見ると日本は最下位に近い128位でした。
上の表を見て分かるようにミャンマーは、‟お金の寄付”のスコアが群を抜いて高く、いかにミャンマーの人々の寄付への姿勢が凄いかが分かると思います!
こうした行いが生活に根付いているのは・・
ミャンマー人の9割が信仰する上座部仏教に、【今世で徳を積む(=善い行いをする)と、より良い来世に生まれ変われる】という「輪廻転性」の考えがあるから
だとは思いますが・・シュエダゴン・パゴダの輝きは、‟人々の信仰心の厚さの表れ”だと知ると感慨深いものがあります。
残念ながらこの塔頂部の豪華な装飾は裸眼では見えないので、境内にある双眼鏡を覗いてみましょう。
また巨大ダイヤモンドは、「シングーの鐘」近くにRedなど文字が書かれた石畳があるので、そこから見ると立ち位置によって色が変化します。ぜひ現地でチェックしてみてください!
シュエダゴン・パゴダの基本情報
シュエダゴン・パゴダ【入場料金】
参道の階段を登りきった先に、小さな料金所があるのでそこで支払います。
入場料を支払うと、証明代わりになる【シール】を服に貼られます。
このシールがあれば当日中は自由に出入り可能なので、昼夜2回に分けて訪れる場合など紛失しないように注意しましょう!
シュエダゴン・パゴダ【営業時間】
休日はありませんが・・
①最終入場時間があること②広い境内を見学するには時間がかかること、以上2点を踏まえた上で、時間に余裕を持って訪れましょう。
シュエダゴン・パゴダ【所要時間】
所要時間は、駆け足でさっと境内をまわるだけなら1時間でも可能だと思います。
ただ、シュエダゴン・パゴダは‟東京ドーム約1.3個分”と…かなり広く、入り口から参道の階段を登ってくるだけでも結構時間がかかります。境内をじっくり探索したり参拝する場合は、2~3時間はかかると思っておいた方がいいでしょう。
また、昼夜で雰囲気が全く異なるので、可能であれば‥夕方前~夜にかけて半日費やすつもりで訪問することをオススメします!
シュエダゴン・パゴダの場所、行き方
シュエダゴン・パゴダは、ヤンゴンの中心街(ダウンタウン)の北、シングッダヤという小高い丘の上にあります。
シュエダゴン・パゴダの場所
スーレーパゴダから3kmちょっとの距離なので、歩いていけなくもありません(約40分)。
歩くのが好きな方や、ヤンゴンの町並みを散歩がてら見たい方にはイイかもしれませんが、日中の暑さとシュエダゴン・パゴダ境内の広さを考えると、体力温存のためにもおすすめはできません。
タクシー(Grab)で行く
やはり一番楽で簡単なのはタクシーです。シュエダゴン・パゴダとなれば、たとえ言葉が通じなくても写真を見せるだけで到着できるでしょう(笑)
ただし注意点としては、ミャンマーのタクシーにはメーターが無いので、乗車前にドライバーと料金を交渉する必要があるという事です!
ぼったくりの被害に合わないためにも、事前に相場を確認しておきましょう!
交渉の手間を考えると、配車アプリ「Grab」を利用するのが最もいい方法です!
目的地設定から支払いまでアプリ上で完結できるので、運転手とのやり取りは不要!事前に料金も分かるのでぼったくりの心配も無く、流しのタクシーより安いです。( ※ネット環境が必要 )
ダウンタウンの中心「スーレー・パゴダ」からだと・・
約15分
Grab 約2,000~3,000チャット(約160~240円)
流しタクシー ~約4,000チャット(~約310円)
《注意》入り口までタクシーで行く場合、駐車場代200チャット(約16円)がかかります。
ちなみにアプリを利用しなくても、Grabのホームページ上で料金の算出ができるので、相場の確認におすすめです! Grabホームページ(ミャンマー版)
バスで行く
ヤンゴンのバスは路線が多く複雑で、旅行者にはハードルが高いと言われています。
ですが、実際に私が利用してみたところ、そう難しくはありませんでした。むしろ、せっかく異国に行くのならローカル感を味わなきゃ勿体ないと思います!
特にシュエダゴン・パゴダへ向かうのであれば、通過する路線バスは限られています。今回は、分かりやすく複数ある路線から3つに絞って紹介するので、ぜひ挑戦していただければと思います。(※乗車はスーレーパゴダからとします)
バスのイメージ |
バス番号(車体) |
運賃 |
降車バス停 |
---|---|---|---|
エアポートバス (白と赤の車体) |
500チャット (約39円) |
Shwedagone Pagoda |
|
36番 (黄色の車体) |
200チャット (約16円) |
Bahan Thone Lan | |
12番 (ピンク色の車体) |
200チャット (約16円) |
Bahan Thone Lan |
どの路線を利用しても降車後バス停からは5分程度歩く必要がありますが、シュエダゴン・パゴダに向って歩く人の流れに沿って進めば迷うことはありません。
気をつけてほしいのは、乗車時です!
スーレーパゴダのバス停は、バス番号ごとに少しずつ乗り場が違っています。
下の▼写真を参考に、バスの色や番号をよ~く確認して乗車するようにしてください。
ちなみに、他の路線だと28番・29番・61番のバスでも行くことができます。
バス番号ごとの停留所が分かるYangon Bus Directory JICA(国際協力機構)作成の 路線図 を参照してみるのもいいと思います。
▼バスの乗り方や注意点は、エアポートバスの記事で解説しています。
参考記事 ヤンゴン国際空港から市内への行き方(簡単で安い!バス移動がオススメ)
シュエダゴン・パゴダの参拝方法
シュエダゴン・パゴダには、東西南北(4ヵ所)それぞれに出入口があります。
どこから入っても各門から続く参道は、約100段の長~い階段になっているので不安になる人もいるかもしれませんが、西門にはエスカレーター、他の門にはエレベーターが設置してあるので安心してください。
ポイント 靴は預けず、持って入る!
→ 入口から先は靴下やストッキングも脱ぎ、必ず裸足にならなければいけません。靴は入口で預ける事もできますが、広い境内です…必ず同じ門から出るとは限りません。
ポイント 履物を入れる袋・ウエットティッシュを持参する!
→ ずっと裸足なので、観光し終わった頃には足の裏は真っ黒です!また、入口付近で袋を配ってくる人がいますが、受け取ると心づけを渡す必要があります。
階段の左右には、お供え物の花やお土産用の仏像などを販売するお店が並んでいます。珍商品もたくさん売られているので、覗いてみると面白いです。
細かく造られている天井・柱の装飾や壁の絵にも、ぜひ注目しながら歩いてみてください。
服装に注意!
参道の途中には、空港にあるような金属探知機のゲートとX線検査機があり、セキュリティーチェックが行われます。形だけ?なのか…ほぼほぼ素通りできるので、ここはご安心を!笑
ただし、服装には厳しいので注意が必要です!
シュエダゴン・パゴダに限らずミャンマーの寺院やパゴダでは、靴や靴下だけでなくタンクトップなど肌の露出が多い服装は禁止されています。膝から上が出るスカートやハーフパンツに加え、ダメージジーンズやレギンスなどもNGです。
過去には、脚に仏陀のタトゥーを入れていた外国人が国外退去されたこともあります。
仏教大国であることを忘れず、現地の文化に十分注意をはらいましょう。
自分が生まれた曜日をチェック!
ミャンマーでは、生まれた曜日を重要視します。
各曜日ごとに決まった守護動物・支配星・方角があり、ミャンマーの寺院やパゴダ(仏塔)には、この曜日別の守護神・守護動物を祀った祭壇がそれぞれ置かれていて、自分の生まれた曜日の祭壇を参拝するのが習わしです。
シュエダゴン・パゴダも大仏塔を囲むように、各曜日の祭壇がそれぞれの方角に置かれているので、ただ境内を見てまわるのではなく、事前に自分の生まれた曜日を調べて参拝してみましょう。
「自分の生まれた日が何曜日なのか」 八曜日占いのサイトで簡単に知ることができます。ただし、水曜生まれの人だけは「生まれた時間」の確認が必要です。
というのも、ミャンマーの伝統暦(ビルマ暦)では水曜日だけ午前・午後に分けられるため、月~日の七曜日ではなく合計8つの『八曜日』で考えるからです。
私たち日本人は血液型や星座で占ったり、大安に結婚式をするなど六曜を大切にしますが・・ミャンマー人は、生まれた曜日にちなんで名前をつけたり、性格や相性、結婚などもこの八曜日で判断するほど大切にしています。
※時計回りにまわること!
- まずは…シュエダゴン・パゴダ近くで祈る
床に座り、 胸の辺りで手を合わせる(蓮の花のつぼみの形)
→ 合わせた手を額の前へ持ちあげる
→ 三角形をつくるように両手を床につき、額がつくほど深く体を倒す
※この所作を3回行います(三礼方式)
- 次に…仏像に金箔を貼る
事前に売店で金箔を購入し、体の治したいところと同じ部分に貼ると良くなるんだとか…
- 次に…生まれ曜日の像に水をかける
生まれ曜日の祭壇に向かい、願い事をしながら…備付のカップで年齢+1回の水をかける(仏様・背後の守護神・守護動物の3つ)
曜日のラッキーナンバーだとか年齢だとか…水をかける回数は諸説あるようですが、大切なのは回数よりも仏を崇敬する気持ちです!
- 最後に…シュエダゴン・パゴダの塔頂部に祈る
境内北西エリアの「アウンミエ」と呼ばれる歴代王が祈りを捧げたパワースポットで、頭頂部の渦巻き模様に向って祈ると願いが叶うんだとか…
昼・夜2つの雰囲気を味わおう!
日中のシュエダゴン・パゴダは、太陽に照らされて眩しく輝く金色が青空に映えとても美しいのですが、ライトアップされて夜の暗闇の中で黄金の光を放つ姿は、神々しさが際立ちより一層美しく感じます。
シュエダゴン・パゴダと同じように、時間帯によって異なる雰囲気をもつのが魅力的なベトナムの世界遺産『ハロン湾』や、ヤンゴンから足を伸ばして訪れたい『ゴールデンロック』は別記事で、観光するなら「日中の姿を見るだけでも十分だ」とお伝えしました。
・・ですが!シュエダゴン・パゴダは違います!!
ぜひ!ここは、昼・夜2つの異なる雰囲気を味わって楽しんで欲しいです!!(もし…どうしても時間が取れない…という方は、夜のライトアップの方をおすすめします。)
ヤンゴンの昼間は気温が高いので暑く、日差しの強い日には境内のタイルも熱くなっているので、ゆっくり見学する気にはなれないかもしれません。
涼しい時間帯の早朝か夜が見学にはベストなので2回に分けて訪れるのもいいですが、昼・夜の両方の雰囲気が一度で味わえるので、夕方~夜にかけて滞在するのがおすすめです!
ミャンマーは治安の悪い国ではないので、女性が夜一人で訪れても怖さはありません。
ただし、どの国でも言えることですが‥人通りの少ない夜道は歩かない!など、海外での最低限の注意はしっかり守りましょう。
シュエダゴン・パゴダ境内の様子
シュエダゴン・パゴダの境内は、想像以上にかなり広いです!
高さ約100メートルの巨大な仏塔を中心に、大小たくさんの仏塔が周りを囲むように林立していて、廟やお堂・祠と仏塔以外の見どころも多く、隅々まで見るとあっという間に時間が過ぎていきます。
細部まで細かく装飾され、どこを見ても煌びやかで、その壮大さには圧倒されます。
境内のいたるところに置かれた数えきれない程の仏像は、その体勢も表情も様々で‥中にはクスッと笑ってしまうようなシュールな像もあって面白いので、ぜひ探してみてください。
シュエダゴン・パゴダにも女人禁制の場所があります。
下の写真のように仏像がモニターに映し出されるので、女性は祈祷所でモニター越しに参拝します。
南東角にある菩提樹は、お釈迦様が悟りを開いたインドの「ブッダガヤ」から運んで植えられたものだそうです。
その「ブッダガヤ」にある世界遺産『マハーボディ寺院』の模造は、塔の四面に仏教説話が描かれていて、他の建物とは少し雰囲気が異なります。
ゴールデンロック同様にシュエダゴン・パゴダでも、熱心に祈りを捧げる人々の姿がある一方、横になったり食事をしたりと‥くつろぐ人々の姿も多く、各々の過ごし方が生み出すこの独特な空間に、なんだか居心地の良さを感じます。
まとめ
圧倒されるほど豪華絢爛な巨大仏塔『シュエダゴン・パゴダ』が、期待を裏切らないヤンゴン随一の観光スポットだという事がお分かりいただけたでしょうか。
信徒によるボランティアで管理・清掃が行われ、信徒による寄進でその美しさ・輝きが存在する・・シュエダゴン・パゴダは人々の信仰心の厚さ、そしてミャンマーの人々の優しく温かい国民性を映し出しています。
訪れる際は服装やマナーに注意し、祈りの妨げにならないよう十分に配慮しましょう。
ただシュエダゴン・パゴダに観光へ行くのではなく、あなたも心静かに祈ってみてはいかがですか?
Shwe Dagon Pagoda | |
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住所 | Shwedagon Pagoda,Yangon,Myanmar |
アクセス | スーレーパゴダから車で15分 |
営業時間 | 4:00~22:00(入場21:45まで) |
入場料金 | 10,000チャット(8USドル) |
公式HP | シュエダゴンパゴダ |
▼シュエダゴン・パゴダを訪れる【現地ツアー】を利用するのもおすすめ!
出発前に日本で事前に予約ができて安心!日本語ガイドだから歴史や文化を深く知ることができる!
ちなみに私は【ハロン湾】でVELTRA(ベルトラ)を利用して、現地ツアーの良さを痛感しました!→その時の記事
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